絵のまえで会いましょう

Chie KODA Exhibition : Focusing on everything

「こと」の豊かさ

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残すところあと4日になりました。少し個人的なことを書きます。

2008年くらいからまちなかをはじめとする公共空間やオフサイトでの展示・プロジェクトに関わることが増え、その中でも思いを強くしていきましたが、「もの」をつくっていようが「こと」をおこしていようが、アーティスト、あるいはアーティストと一緒に行為する人々の活動というか、「表現」の強さとでも言うべきものが何よりも人の目を引きつけるし、その化学反応みたいなものを目にすることのできる瞬間に立ち会えるのがたまらなくて、この仕事を続けているのだといます。

今回、久しぶりにホワイトキューブでの展示をして、ここはやっぱりニュートラルな空間だし、ある種のルールもあるから見えにくくなっているけど本質は同じだと改めて感じています。幸田さんがこれまでに描いてきた「もの」とじっくり対峙することができるし、彼女が絵のまえにいて、制作を続けていて、言葉を交わせるのもいい。人によって反応してくれるポイントは違うけど、そこからほかのポイントにも目を向けてくれる様を見守ることが出来るのは、とても幸せなことです。

そして、ここで自分は何をするべきなのか。基本的に説明的な展示にはしているので、積極的に解説みたいなことはあまりしていませんが、それでも話しかけた方が良さそうな人には声をかけるし、幸田さんと話すようにしむけたりもしています。来る人はやっぱり様々なので、人により対応を変えるというか、工夫するというのが今のところの答え。でも彼女のように、曖昧然とした社会やクライアントに対してというよりは、純粋に目の前にいる「人に向き合う」ことを続けているアーティストはずっとそうやってやってきたんだと思います。

この展示から少し離れて考えると、そうやって日々生成されている「こと」の豊かさをどうやって人の記憶や記録に留めたり、「もの」と結びつけていくべきなのかという部分をやっていきたいし、そもそもこのような現場にどのような人が来てくれるのが価値で、そのために必要なアプローチが何なのかをもっと考えて実践していきたい。といったことを考えていたりしています。

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来場者数:約30名、カタログ販売数:0冊

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