芸術祭ツアー2016 レポート(前編)

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五十嵐靖晃《そらあみ<島巡り>》(本島)

ノマドプロダクション会員向けの企画として、〈瀬戸内国際芸術祭2016〉など瀬戸内のアートスポットをめぐる4泊5日のツアーを行いました!

1日目:高松(仏生山)
1日目はそれぞれの旅程で香川県高松市の仏生山温泉に集合。岡山市で初開催の〈岡山芸術交流〉や、ペピン結構設計『パラダイス仏生山』参加の後に集まった方が多かったようです。参加メンバーのひとり、井上さんによるレポートでお届けします。

高松駅からローカル電車「ことでん」に乗って20分ほどの場所にある仏生山。石神夏希率いるペピン結構設計がプロデュースする「パラダイス仏生山」はこのまちを舞台に繰り広げられる、まちあるき型の演劇に参加しました。

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仏生山駅前で受付を終えて渡されたのは、「C『日山の鳥』」と書かれた紙。この演劇まちあるきはA,B,Cの3パターンのストーリーが用意されており、参加者はどれかひとつのストーリーしか体験できないそうです。

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はじまりは、駅前にあるレトロな喫茶店から。お店の元オーナーである女性が、自身の古い写真を広げながら若い頃のエピソードを語ります。仕事に厳しい母親と一緒にお店を始めた当初はただただ苦しかったこと、母親が結婚指輪を紛失したが長い年月を経て店のソファーの隙間から見つけたというエピソード。語られるひとつひとつの記憶が、喫茶店の場所そのものの雰囲気と繋がって、まるで以前からこの人達を知っているかのような気持ちになります。

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その後、バスで10分ほど移動。
着いたのは山道の入り口。そこで待っていた地元の方に誘導されるがまま、ほどよく整備された山道を上ってゆきます。いったいこの山が何の山で、いったいどのくらいの時間登り続けるのか、全く分かりません。

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しばらく登って背後を振り返ると、美しい景色と共に五重塔が。

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山頂には20分ほどで無事到着。ここが、貰った紙に書いてあった「日山」という山のようです。標高は191メートル。

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ガイドをしてくれていたのは、地元の岡田さんという方。岡田さんは、日山に毎日2回登る習慣を15年間続けていて、4000回以上の登頂記録を持っています。

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山頂に置いてある手書きの芳名帳をデータ化し、登頂回数を人と日付ごとに分けて記録したリスト。岡田さん以外にも、毎日登っている人たちがたくさんいます。ちなみに回数がカウントされるのは1日1回まで、とのことなので、岡田さんは8000回は登っているのではないでしょうか。(ちなみにこの日は4回目だと仰っていました。)

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岡田さんから仏生山のエピソードを聞きながらしばし休憩。この辺りには、陥没構造の地形があり、これは隕石が落ちたクレーターではないかという噂があるそうです。

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手のひらにひまわりの種をのせて待つと、野生の鳥が近づいてきて手乗りしてくれる、という貴重な体験も。これは地元の人たちが時間をかけて手懐けた結果なのだとか。

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いろいろなエピソードを聞いたりしながらしばらく山頂で過ごし、下山開始。徐々に日が傾いて、空気もひんやりしてきます。

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秋の美しい夕焼け空を味わう時間。

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日山を下りたあとは、公道をしばらく歩き続けます。

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ゆっくりとしたペースで歩くと、普段は見ない景色もおのずと目に入ってくるという不思議。夕焼けに染まるふんわりとした雲が気になって、つい撮ってしまいます。

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そして出会ったのは、ピンク色の蕎麦の花。うどん県には蕎麦もあるそうです。

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最後にたどり着いたのは、田んぼの中の広い劇場。A~C全てのルートの参加者たちが集合し、そしてこの演劇の出演者である地元の皆さんが一同に会して、各々の思い出のシーンをパフォーマンス。最後は村田順一郎さんの歌うテーマソング「当地興行」でフィナーレ。

仏生山という少し懐かしさを感じるまちの中で、「今」と「昔」、「現実」と「物語」を行ったり来たりする2時間40分のプログラム。まるで夢を見ていたかのような、でも他のどんな観光よりもしっかりと肌感覚と記憶に残る、とても不思議で楽しいな時間でした。

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登山の疲れは仏生山温泉とかき氷で取り除き、2日目に備えます。(井上)

 

2日目:粟島・高見島・本島・吹上美術館
2日目は早起きして、高松港からチャータークルーズを敢行! 芸術祭秋会期会場の粟島高見島本島、そして瀬戸大橋の袂、下津井(岡山県倉敷市)のまちで有志により運営されている吹上美術館を一気にまわります。

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この日は高松港で岡山からIさん、東京からKさん、Tさんが合流…の予定がサンライズ瀬戸の大遅延によりTさんの合流を諦めて出発! しかしここはチャーターの利点を生かして、最初の目的地である粟島にも近い丸亀港に合流ポイントを急遽変更。わずかのタイムロスで、無事合流できました。

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気持ちの良い秋晴れ、風も無風に近く、クルーズには最高のコンディション。瀬戸大橋をくぐり、島々の風景を楽しみながらあっと言う間に粟島に到着します。

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参加アーティストの滝沢達史さんに芸術家村(日々の笑学校・粟島研究所)のご案内をいただき、その後は各自マイペースにその他の作品をめぐります。

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滝沢さんには、思考と技術と対話の学校(基礎プログラム3)の実践プログラム「プレイパーク・パーティーを考える日」(12/23開催)でお世話になっています。

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芸術村にアーティストが滞在する度に植えられているという植木。

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2014年に滞在制作を行った岩田とも子さんの展示。projectart.jpコラム「小豆島・醤の郷+坂手港と粟島のアートプロジェクト」にて、当時の様子をご覧いただけます。

続いて高見島。

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島の風景と作品、そして、、、

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美味しそうな茹でタコを堪能しました。

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本島は、笠島港より上陸。

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迫力ある作品をながめ、塩飽大工のまち並み保存地区でタコ飯をいただきました。

最後に目指すのは下津井です。

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吹上美術館は有志運営のため、土日のみの開館ですが、この日は特別にご対応いただき、運営メンバーで、ちょうどご自身の展覧会をされていた片山康之さんにご案内いただきました。

また、近くのレジデンススペースも見学。9月から来年3月までここで活動されているのは井浦千砂さん。岡山芸術交流に参加している荒木悠さんも、こちらで滞在制作をされていたそうです。

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岡山に戻るIさんとこちらでお別れし、帰りも航路です。

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今回チャーターをお願いしたユアクルーズさんは、このような企画クルーズが得意。事前に発着ポイントやルート、スケジュールなどを相談させていただき、非常に丁寧にご対応いただきました。

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チャータークルーズ、快適で楽しいですよ。(橋本)